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ゴマの実現

農業遺伝学の研究者・Sさんは、かつてシルクロードは緑にあふれていたが、農業という地力搾取が進むと、塩が地下から吹き出したりして、砂漠化していったという仮説を提示しています。
こうした過度の農業による砂漠化が、多くの文明を衰退にもたらした、とすることはまちがいではないと思われます。 それゆえ現在、二酸化炭素排出ゼロとして注目されるバイオエタノールには、大きな問題があります。

廃油などの再利用ならばともかく、農作物をエネルギーとするのは、大地から地力を大規模に奪うことを意味します。 また、いくら肥料を与えても、土中の微生物をはじめとするさまざまな養分を、調和的に保持することは不可能です。
しかも化学的な対応は、地球の循環構造を人為的に変えるだけで、大きなアンバランスを招き、大地の力を衰退きせることになります。 またバイオエタノールの問題は、快適な生活環境の維持と、地球温暖化防止という名目のために、経済的富者が、世界中の弱者の食料を奪うことにもつながります。
すでに一九七○年代に、Sという研究者は、世界中の年産およそ一三億トンの食料および飼料用穀物の半分は、世界人口の四分の一にしかすぎない先進国によって消費されたことを指摘しています。 こうした事情は、現在ではもっと進んでいるでしょう。
つまり私たちが肉を食べるために、膨大な穀物類が飼料として投入きれているのです。 そうした農産物を、飢えに苦しむ人々に回せば、多くの人々が救われることになります。
それをさらに自動車などの燃料に回すとなれば、発展途上国における飢餓の問題は、より厳しくなります。 農業を世界規模で考えた場合には、実に難しい問題があるのです。
グローバリゼーションは農村を貧しくする。 農業は、もともとは自給自足という性格をもっていました。
しかし今日、商業や工業さらには情報というシステムも加わって、膨大な社会的分業の体系を、産業社会が創り上げてしまいました。 そして現在、そうした産業社会の論理が、まさにグローバリゼーションという形で、世界中に浸透しつつあります。

そのあおりをうけて、実は今、農業にしわ寄せが来ています。 ラオスなどの焼畑地帯や、中国南部の農村を歩いていると、このことが強く実感きれます。
ラオスでは、山の斜面で焼畑を行い、谷間の低地部では水田で、ともにコメを作っています。

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